2013年2月23日土曜日

政策を考える際に大切なこと


SNSができて政策に対する議論は百花繚乱の態をなしている。みんなそれぞれ自分の支持する政策のメリットを声高にとき、そして反論に対するデメリットを提示することに一生懸命である。

当たり前だが100%メリットしかない政策などわざわざ提示する必要はない。なぜならそれが事実なら、そのような政策には反対者がいないため、既に実行されているはずだからだ。

逆に100%デメリットしかない政策は賛成する推進者がいないため政策として実施されない。

ということは現在まだ議論中で実施されていない政策は、多かれ少なかれメリットとデメリット両方を持っていること意味している(なんだか当たり前のことを言っているような気がするw)。

政策を考える上で大事なことは、その効果を最大にし、副作用を最小化することであり、それこそが政策遂行者に求められている能力だと言える。

その政策が現時点においてメリットがデメリットを上回っているか、他の政策とのポリシーミックスは可能か、その2点を推敲する必要がある。

単体では悪い政策の様に見えて、他の政策と組み合わせることによって良い政策になりうるなんてことはよくあるし、逆もまたしかり。

金融政策をめぐる議論を見ていると、この大事な2点を忘れたような議論が多すぎるように感じる。極端なのは日銀がちょっとでも金融緩和をするとハイパーだなんだといいだすそういう極端な反対派である。まあ要するに嫌で嫌で仕方がないなわけだ。

インフレがどんどん進行してしまう金融緩和の副作用を抑える薬はある。それが2%のインフレ・ターゲティングである。政府と市場と日銀がコミュニケーションの上、2%というインフレ率を定め、市場予想のアンカー(イカリ)とすることで、どんどんインフレ期待だけが亢進してしまう可能性を摘み取る対策なのである。

安倍首相はこのポリシーミックスを正確に認識しており、副作用を十分に踏まえながら政策を組み合わせることで実行しようとしている。

どんな政策にも副作用はある。完全な薬は存在しない。経済政策にもそのことはあてはまる。しかし副作用があるからといって医者が処方をやめるのであれば、そもそも医者も薬もいらないのだ。

副作用があるのは当然である。問題はそれをどうコントロールするか、そこに政策の妙があるのだ。副作用があるから何もするなというかのような議論ははなから相手にしないことだ。

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